ベンチャー法務の部屋

売上0円で132億円の資金調達に成功した会社

2010.11.16

現在進行形のベンチャー企業にライフネット生命という会社があります。

会社名から推察できるとおり、インターネットのみで生命保険を販売する保険会社です。

この会社の社長さんは、出口治明さんという方で、非常に教養が高く、お話をお聞きしても、ずっとわくわくした気持ちになることができる方です。ちょっとお話を聞くだけで、こちらが、大層、教養を深めたような気にさえなります。ちなみに、数週間前、私とお話させていただいた時には、歴史好きとして、書物誕生シリーズをお薦めいただき、早速、高橋宏幸著『カエサル「ガリア戦記」』を読み進めております。

ところで、ライフネット生命保険株式会社の副社長さんは、岩瀬大輔さんという、これまた素晴らしい方です。直接お話しさせていただいたことはなく、一方的に私がすごいと片思いさせていただいているだけですが、ハーバード・ビジネス・スクールに在席されているときから、ブログ「ハーバード留学記」を作成されておられ、このころからのファンです(いま、このブログは、『ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて』『金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記』 という本となって、出版されています。)。

この度、この岩瀬さんが、『132億円集めたビジネスプラン』という本を上梓され、本日発売開始とのことですので、早速買ってみたいと思います。

ライフネット生命社は、全く売上のない時期に、名だたる大企業やベンチャー・キャピタルから、132億円という巨額の資金調達をして、ビジネスを開始されています。現在、営業黒字達成もそう遠くないと予想されています。

今後、日本のベンチャー研究において、おそらく、同社は多くの研究の対象となることは間違いないと考えます。

同社の特徴の1つは、ビジネスモデルと実行力の秀逸さは勿論のこと、業界でかなりの地位まで上ったベテランと新進気鋭の超エリート青年のタッグで、会社をスタートさせたところにあると思います。出口社長と岩瀬副社長は、キャリアも年齢も全く違うお二人ですが、絶妙のコンビネーションと魅力で、周囲を魅了し続けています。お二人とも、極めて聡明で、勉強熱心な努力家であることは、おそらく間違いないのですが、それ以上に人間的な魅力にあふれておられるのだと思います。その二人が相性良く、会合し、しかも事業を始めることで一致したというのは、ある意味、奇跡的な出会いではないでしょうか。

私は、ライフネット生命社がこれからも成長を遂げて、日本で営業黒字を達成し、その後は、日本にとどまらず、世界に羽ばたいていってほしいと願う者の1人です。(念のため、申し上げますと、私は、同社から何かをいただいたり、推薦やPRを依頼されているわけではありません。)

執筆者
S&W国際法律事務所

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