憩いの部屋

AIと弁護士

2025.04.17

2025年2月24日に、大阪マラソンに出場しました。
私が顧問を務める認定NPO法人CLACKのチャリティーランナーとして、「I RUN FOR “CHALLENGE”」のゼッケンを背に、5時間半で無事完走しました。

出場を決めたのは昨年の8月頃だったのですが、大阪マラソンの完走率が95%という情報を得たことで完全に気が緩んでしまい、初のフルマラソンにもかかわらず、本番の3日前と4日前に各5kmの練習をしただけで練習を終えました。

高校生だった25年前にはテニス部で毎日のように走っていたこと、概ね週1回のテニスは継続していることから、完走できない5%に入ることはないだろうと高をくくっていました。最後の5kmは歩くことすら辛い状況でした。

初めての大阪マラソンを通じて感じたことを紹介したいと思います。


ありふれた感想ですが、沿道の方の声に心も足も動かされました。

走る自分に、まったくの他人が沿道から声援を送ってくれる。小さな子どもからご年配の方まで、エアーサロンパスを手に待ち構え、パイン飴を差し出し、声を枯らして「ここまでよく頑張った!もう歩いてもゴールできるから!」と叫んでくれる方もいました。

こんなにも多くの方から応援されるという経験をしたことがなく、ただ走っているのではなく、「誰かに応援される存在」となっていることを感じました。

不思議なものです。
誰かからの「頑張れ」が、自分の「もう少しだけ頑張ろう」に変わり、自分の姿がまた、誰かの「自分も頑張ろう」に繋がる。
そして、いつか応援された人が、今度は誰かを応援する側にまわる。
あの日、そんな循環が、大阪のあちこちで生まれていました。


いま、法曹界にも生成AIの波が押し寄せています。
私たちも、よりよいリーガルサービスを提供すべく、日々AIの活用に取り組んでいます。

生成AIの力によって、文書作成はスピードを増し、調査や整理も飛躍的に効率化されています。

その進化は、まさに目を見張るものがあります。

けれど、ふと立ち止まりたくなる瞬間、立ち止まらなければならないのではないかと感じる瞬間があるのも事実です。

雪の降る寒空の下で、何時間も、見ず知らずの素人ランナーを励まし続ける人々の姿に、「効率」という言葉は存在しません。
そこにあるのは、ただ目の前の頑張る人を想う気持ちと、その想いによって前に進む人がいるという事実だけです。

生成AIができることが、ますます増えていくことに疑いの余地はありません。生成AIによって世の中はより効率的になり、みんなの生活も便利になることでしょう。

けれど、「非効率」に見えても、人と人とが支え合う行為、温かいひとつの言葉、ひとつの想いが誰かの背中を押すような瞬間を、私たちは忘れてはいけないと思います。

AIと共に進化する未来においても、人を想う力を何よりも大切にしたい、そう思わせてくれる大阪マラソンでした。

改めて大阪マラソンでいただいた想いを振り返り、我々が提供するリーガルサービス、法曹の世界においても、そのような人間らしさを忘れることなく、誠実なサービスを届けていきたいと思っています。

執筆者
三村 雅一
マネージング・パートナー/弁護士

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