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国際法務の部屋

企業が人権に関する取組を充実させることによるポジティブな影響

 

こちらのブログでもご紹介したように、令和2年10月には,「ビジネスと人権」に関する行動計画(2020-2025)が策定され、企業が人権に関する取組を行う必要性が高まっています。

そのような中で、外務省が令和3年に「ビジネスと人権」に関する取組事例集(以下「取組事例集」といいます)を発表したことは、こちらのブログでご紹介いたしました。

さらに、法務省も、「ビジネスと人権に関する調査研究」報告書を作成し公表しています。

このような流れを見ると、企業規模を問わず、企業は人権に関する取組を充実させることが喫緊の課題となっていることがうかがえます。

今回のブログでは、上記報告書のうち、「ビジネスと人権」への対応 詳細版は、非常に情報量が多く、企業が尊重すべき人権の内容、企業による人権への取り組みの必要性や取り組みの在り方についてよくまとまっていますので、その中から、「企業が人権に関する取組を充実させることによるポジティブな影響」についての記載を紹介させていただきます。

SDGsやビジネスと人権に関連するセミナーで講師をさせていただく際には、「人権に関して取り組まないとリスクがあることはわかったが、人権に関する取組をして、何か良いことはあるのか?ビジネスチャンスにつながることはあるのか?」というご質問をいただくことがあります。

この点について、上記報告書には「人権に関する取組を充実させることによるポジティブな影響」として、売り上げの増加、コストの減少、企業価値への影響という3つの観点から、下記(a)~(e)のように整理しています。

【売り上げの増加】

(a)新規顧客の開拓・既存顧客との関係強化

→消費者や企業の人権意識の向上を受け、人権に関する取組は販売数量・単価の上昇につながる

【コストの減少】

(b)採用力・人材定着率の向上(≒採用コストの減少)

→社会課題への関心の高い世代の採用競争力強化や、労働環境の整備による人材定着が実現

(c)生産性の向上

→従業員やサプライヤー等のモチベーション向上や生産システムの透明化を通じて生産性が向上

【企業価値への影響】

(d) ブランド価値の向上

→人権関連の企業ランキングや認証等を通して、人権への取組はブランドイメージに大きく影響

(e) 株式等価値の上昇

→ESG投資の高まりにより、人権への取組を推進する企業に投資が集中

「ビジネスと人権」への対応 詳細版は、上記の他にも内容が充実していますので、次回以降のブログでも引き続きその内容を紹介させていただきたいと思います。

弊所では、ビジネスと人権に関する研修(新入社員・管理職研修、全従業員を対象としたEラーニング研修等)、経営層等を対象にしたビジネスと人権に関する講習会、取引基本契約書等における人権条項の整備、人権方針作成のサポート、人権デュー・ディリジェンスのアレンジなどSDGs関連サービスを幅広く提供しております。ぜひ、お気兼ねなくお問い合わせください。

(文責:河野雄介)

2022年01月18日 16:06|カテゴリー:

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SDGs2022

2022年1月1日のニュースで、経団連の十倉会長が、年頭に合わせて、報道各社のインタビューに応じた内容が報道されました。

NHKの記事によると、「同インタビューに対する回答の中で、十倉会長は、この中で、中国の新疆ウイグル自治区で強制労働が広く行われているなどと指摘される中、人権問題をめぐる企業の対応に厳しい視線が注がれていることについて『国際的に事業活動を行ううえで、人権は欠かせない案件になってきた。企業も社会を構成する一員なので、社会規範はしっかり守らないといけないという厳しい認識を持つべきだと思う』と述べました。そのうえで『各企業は、人権の重要性を自主的に判断して、しっかり取り組むべきだと言っている』として、企業に対し、強制労働によって生産されたものがないかなど、製品の供給網=サプライチェーンの透明化を呼びかけていく考えを示しました。」とのことです。

 

SDGsに関する記事を紹介する中で、全ての企業にとってSDGsは経営課題となり、迅速な対応が求められていることについては既にお伝えしてきた通りです。

また、2021年6月に公表された東京証券取引所の改訂コーポレートガバナンスコードでも、サステナビリティに関する取り組みとして「人権の尊重」が盛り込まれるなど、上場企業にとって、「人権の尊重」が重要な経営指針となることについてもすでにお伝えしてきました。

 

この点、十倉会長からは、「各企業は、人権の重要性を自主的に判断して、しっかり取り組むべきだと言っている」との指摘があったようですが、企業にとって、人権の重要性を自主的に判断し、取り組む、ということは決して容易ではないと感じています。

 

日本政府は、企業が経営を行う上で、「人権の尊重」としてどのように取り組めばよいのか、ということについて、2020年10月、日本政府は「『ビジネスと人権』に関する行動計画」を策定しています。この内容についても、過去のブログで紹介していますので、ご参照ください。

 

これに加え、法務省は、「今企業に求められる『ビジネスと人権』への対応」という資料を公表しています。同資料では、企業が尊重すべき主要な人権と人権に関するリスクの内容や近年の動向、人権に関する取り組みが事業活動に与える影響、企業による人権への取り組みとしてどういった取り組みを行なうべきかといったことについて分かりやすく紹介されています。

 

弊所では、ビジネスと人権に関する研修(新入社員・管理職研修、全従業員を対象としたEラーニング研修等)、経営層等を対象にしたビジネスと人権に関する講習会、取引基本契約書等における人権条項の整備、人権方針作成のサポート、人権デュー・ディリジェンスのアレンジなどSDGs関連サービスを幅広く提供しております。

法務省作成の資料は約80ページという厚い内容となっているため、同資料に関する解説、同資料を踏まえて、企業に求められる人権尊重への取り組みを、例えば社内規程や契約書類にどのように落とし込んでいくのかといった点に関するご相談も含め、ぜひ、お気兼ねなくお問い合わせください。

 

(文責:三村雅一)

2022年01月17日 16:27|カテゴリー:

SDGs

|タグ:

SDGs、ESG、弁護士、法律人権DD、人権デュー・ディリジェンス

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