人生最高の一冊
「JETBOOK作戦」を知っていますか?
これは、「皆さんが人生で出会った最高の本を児童養護施設の子どもたちに送る」というプロジェクトです。
このプロジェクトを起ち上げたのは、児童養護施設出身の大学1年生で、彼女が自身の経験に基づいて、「施設の子どもたちがいろいろな情報に触れ、新しいことを発見していける機会を作りたい」、という思いから、クラウドファンディングを募りました。
その結果、多くの方々の賛同を得て、約3700万円もの額が集まりました。その額に驚くと共に、未だ大学1年生という若者の思いにこれだけの方々が思いを共にして下さったことに大きな喜びを感じました。
私もこのプロジェクトの趣旨に心を動かされた1人であり、私は中学生の時に読んだ、三浦綾子さんの「塩狩峠」をその一冊に選びました。
「あなたにとっての人生最高の一冊は?」
この質問に対して皆さんはどう答えるでしょうか。
私は、このプロジェクトと出会って以来、初めて会う人との自己紹介の際の話題でも、既に親交を深めた方々との話題でも、この質問をするようになりました。
私の好きな言葉に、「あなたの知らないところにいろいろな人生がある。あなたの人生がかけがえのないように、あなたの知らない人生もまたかけがえがない。人を愛するということは、知らない人生を知るということだ。(灰谷健次郎)」という言葉があります。
素敵な本を知るということはもちろんですが、このことはまた、本だけではなく、その人の人生に対する興味を持つことにも繋がり、これをきっかけにさらに仲が深まるということを実感しています。
今回私が選んだ本は塩狩峠でしたが、私は小説に出てくる主人公に影響を受けやすいタイプです。
中学生の頃には、「塩狩峠」の永野信夫に心を打たれ、高校生の頃には、将来は「泥流地帯」の拓一のような人になりたい、と思っていました。当時から20年以上経ち、間もなく40歳を迎えようとしている今、自分の人生に大きな影響を与えた本を読み返してみたいという思いが湧いてきました。
コロナでなかなか会えませんが、コロナが明けた暁には、皆さんにも、「人生最高の一冊」を聞かせて頂きたいと思っています。ぜひご準備頂けると幸いです。
(文責:三村雅一)
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