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国際法務の部屋

サプライチェーンにおける強制労働防止のベンチマークについて

SDGsのターゲット8.7では、「強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。」が掲げられています。

ここでいう、強制労働とは、従業員に、処罰(監禁、暴力による威嚇やその行使、労働者が職場の外に自由に出ることの制限を含む)や脅威(家族に危害を加える旨の脅迫、不法就労を当局に告発する旨の脅迫、労働者を職場に留める目的で行われる賃金不払など)による従業員の意思に反した労働をさせてはならないことを意味します。

では、具体的に、どのようなベンチマークにより、企業のサプライチェーン上の強制労働防止への対応を判断すればよいのでしょうか。

この点について参考になるウェブサイトは、企業や投資家が、グローバルなサプライチェーンにおける強制労働のリスクを理解し、対処するためのリソースとして公表されているKnowTheChainです。

KnowTheChainは強制労働が特に深刻となりうる3つのセクター(情報通信技術(ICT)、食品・飲料、アパレル・履物)におけるグローバル企業をピックアップして、①Commitment and Governance(コミットメントとガバナンス)、②Traceability and Risk Assessment(トレーサビリティとリスクアセスメント)、③Purchasing Practices(調達行動)、④Recruitment(採用活動)、⑤Worker Voice(労働者の声)、⑥Monitoring(モニタリング)、⑦Remedy(救済措置)の各要素から採点を行い、ランキングを公表しています。

2020/2021 Benchmarkとしてランキングが公表されている中の企業全体の平均スコアは33/100ですが、日本企業全体の平均スコアは22/100と相対的に低いスコアとなっており、日本企業としてサプライチェーンにおける強制労働問題へのさらなる取り組みが求められます。

KnowTheChainのウェブページでは、上記①~⑦の各要素について、セクター別での詳細な判断基準(ベンチマーク手法)も公表されていますので、今後、サプライチェーンにおける強制労働問題への取り組みを検討する際に、企業の規模を問わず非常に参考になりそうです。

弊所では、サプライチェーン管理に関する取り組みを支援させていただくために、取引基本契約書等でサプライチェーンに関する条項の整備、サプライチェーンの人権デュー・ディリジェンスなどSDGs関連サービスを幅広く提供しております。ぜひ、お気兼ねなくお問い合わせください。

(文責 河野雄介)

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