ここから本文です

憩いの部屋

『くるみ割り人形』

この夏休み、娘が習いだしたばかりのバレエ教室が夏の発表会を主催するので、見に行きました。

その演目は、『くるみ割り人形』でした。

チャイコフスキーが作曲したクラシック・バレエを代表する作品の一つであり、『白鳥の湖』『眠れる森の美女』と共に「3大バレエ」と呼ばれており、バレエ界全体の三大作品でもあります。
チャイコフスキーは、法律学校を卒業し、法務省に文官として就職。仕事のほとんどは訴訟事務の取り扱いであったそうです。そこからロシアを代表する大作曲家に転身したというのですから、人生何があるかわかりません。

くるみ割り人形の楽曲には、行進曲やロシアの踊り、花のワルツなど、誰しも耳にしたことがある名曲が多く含まれています。小学校の掃除の時間のBGMは、この花のワルツか、美しき青きドナウだったように思います。間違いなく、聞いているだけで心が楽しくなる楽曲がちりばめられた作品といえるでしょう。

私個人の記憶を手繰ると、10代のころに、こういった楽曲、私にしてみれば、陰のない楽曲には、ほとんど心が惹かれませんでした。特に、ワルツなんてものには、とんと興味をもった記憶がありません。他には、モーツァルトの明るい楽曲にも、関心がありませんでした。

それが大人になって、ある意味、純粋に美しいものを美しいと思えるようになったのか、30代に入ったくらいから、軽やかで美しい曲を求めるようになりました。例えば、モーツァルトのディヴェルティメントK136 やフィガロの結婚の序曲は、昔はさほどに聞きたいと思わなかったのですが、今は、ふとした瞬間に聞きたくなるのです。逆に、ベートーベンのピアノソナタ「月光」の第1楽章は、今も美しいと思うのですが、積極的に聞こうとはならなくなったような気がします。

大人になると日常生活や仕事が複雑で責任も重くなったので、せめて音楽くらいは、シンプルなもの、美しいものを求めるようになったからかもしれません。

そこでバレエ曲です。
娘がバレエを習いたいと言い出さなければ、『くるみ割り人形』をじっくり聞くこともなければ、バレエの世界に触れることもなかったのではないかと思います。しかし、バレエの演目として『くるみ割り人形』を見ると、すっかりバレエとバレエ曲の美しさのとりこになってしまいました。

YouTubeで国内外で有名なバレリーナの動画をチェックするなど、以前では考えられなかったのですが、今では、ふとした空き時間に、観てしまうのです。

新しい芸術との出会いの機会をくれた娘に感謝するとともに、いつかロシアに旅して、バレエを鑑賞できる日がくるのを首を長くして待っています。

(文責:森 理俊)

2021年10月04日 02:43|カテゴリー:

|タグ:

くるみ割り人形バレエ

コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です